なんとなくですけど、
ノルウェーって、健康なイメージないですか？？
緑豊かで、運動を楽しみ、仕事は３時に終わって、
家族との時間や、趣味の時間を楽しみ・・・。
最高ですよね！！
なんてったって、
２０１７年の幸福度ランキング１位ですからね。
そもそも幸福度ランキングって何？どーやって決まるの？ という方はこちらもどうぞ！
世界幸福度ランキング２０１７
そんなノルウェー人は、
さぞ食事にも気を使っているんだろうと思っていたんですけど、
スーパーに行って衝撃を受けました！！
バターが見当たらない！！！
欲しい味のバターに出会うまでの道のりは険しそうなので、
ノルウェー語を解読しつつ調べてみました。
（現在タブが５０個ぐらい開いています…）
どれを買えばいいかサクッと知りたい方は、
１，２，３，４は飛ばして５番へどうぞ！
１，ノルウェーにおけるマーガリンの歴史
ノルウェーのErlend Hasselさん （PhD student at CERG）
の記事がわかりやすかったので、要約しますね。
１９００年頃は、心臓病患者はほとんどいなかったけれど、
第二次世界大戦前から１９７０年代までの間に、
心臓病でなくなる人がすごく増えました。
１９７０年代になると、
ノルウェー人男性の４人に１人が
７５歳までに心臓病でなくなるようになりました。
１９７０年代をすぎると、
心臓病による死亡者数はやや減り、
２０００年前後には第二次世界大戦前の発症率にまで戻りました。
全ての病気は、遺伝的要素（これは変動なし）と、
食べ物、生活習慣、環境的要素により生じます。
心臓病の増加の１番の原因は食生活によるものだと思われ、
トランス脂肪酸が有害であるとされています。
１９００年代の初めから、トランス脂肪酸が工業的に生産されるようになりました。
硬化・脱臭過程で、魚や野菜の油に水素を添加することによって、
トランス脂肪酸が生まれます。
ノルウェーはオランダ同様魚の油をたくさん供給できたため、
トランス脂肪酸をたくさん生み出す国となりました。
この時期、ノルウェーとオランダで
心臓病による死亡がとても高い割合だったのは
これが原因と言えるでしょう。
ノルウェーの食生活は、マーガリンをよく摂取しますし、
半調理済みの製品や、調理済み製品が多いため、トランス脂肪酸を多く摂取してしまいます。
といっても、ノルウェーのトランス脂肪酸の消費ピークは１９５０年代後半であり、
９０年代の終わりまでには、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸は
微量となりました。
トランス脂肪酸による危険性は、ここ数年よく取り沙汰されるようになり、
２０１４年にノルウェーも、
２％以上のトランス脂肪酸を含む製品を売ることを禁じるという
ヨーロッパで１番厳しい規制を導入しました。
トランス脂肪酸についての歴史は、
工業的につくられた製品が食品につかわれた場合
どんなに恐ろしい事が起きるかということを
私達に教えてくれます。
２，ノルウェー バター危機
２０１１年後半に、
夏に大量の雨が降り牛が十分な草を食べることができなかったため、
例年に比べて２０００万リットルも、ミルクの量が減りました。
それに加えて
１０月には２０％、１１月には３０％バターの需要が増えました。
需要＞供給となり、バター不足がおきて、バターが高騰しました。
お店のバター在庫は数分でなくなり、ノルウェーはバターパニックに。
２５０ｇパックのLurpakのバター（輸入）が
３００Nok（約４５００円）にまで値上がりしました！！
ノルウェー人にとって、バターはクリスマスに欠かせないもの。
また、ノルウェー人の、低糖質・高脂肪な食生活にも必要不可欠です。
このバター不足は、国内バター産業を守るための高関税により続きました。
ノルウェーにおけるバターの９０%は国内産で
これらが不足しても、関税が高すぎでなかなか輸入ができなかったわけです。
３，菜種油が大人気！
ノルウェーの製品には花の絵が描かれていることが多いのですが、
これは植物由来の油（菜種油）を表しています。
ノルウェーでよく使われる菜種油には
トランス脂肪酸は含まれていないのでしょうか？
菜種油に含まれるトランス脂肪酸は、100ｇあたり0.4gです。
つまり、無いに等しいのですが、
脱臭工程の加熱・硬化のプロセスで発生してしまいます。
加熱温度が２６０℃になると、
トランス脂肪酸が大量に発生することが知られています。
といっても、ノルウェーのバター系製品に含まれるトランス脂肪酸は
２％以内と厳しく規制されていますので、
加熱温度は２６０℃より低いものと推測できます。
４，日本の製品はどうか？
日本では現段階で、トランス脂肪酸の含有量の表示すら義務付けられていません。
食品安全委員会によると、
「大多数の日本国民の食生活でのトランス脂肪酸の摂取量は、
WHOの推奨する、エネルギー比１%未満を下回っているため、
通常の食生活では健康への影響は小さい」 からだそうです。
しかし、以下のリストの上位のものは、
食パンにつけて１枚とちょっと食べたらあっと言う間にWHOの基準値オーバー。
また、パンだけでなく、そのほかの食品にも使われていることを考えると
やはり、トランス脂肪酸の含有率の少ないものを選ぶに越したことはありません。
＊日本におけるマーガリンのトランス脂肪酸含有率
※明治・セブン・ヤオコー は回答拒否。
１，マリンフード ツキマルゴールド ８g 6.5％（給食に使われている）
２，雪印 バター仕立てのマーガリン 140g 6.0％
３，
トップバリュー キャノーラソフト 紅花 160g 5.3％
テーブルソフト べに花 5.3％４，生協 べに花ハーフ 4.1％
５，マリンフード メンドーテルポーション 6g 4.0%
６，マリンフード ガーリックマーガリン 80g 3.2％
７，
雪印 ネオソフト コクのあるバター風味 280g 3.0％
雪印 テイスティソフト バターの風味 濃厚300g 3.0％
雪印 ネオソフト キャノーラハーフ160g 3.0％
雪印 ネオソフト ハーフ 3.0％
雪印 ネオソフト べに花 3.0％
雪印 ヘルシーリセッタ ソフト 3.0％
生協 ケーキ用マーガリン 3.0％８，ローソン マーガリン ローソンセレクト 1.9％
９，イオン シュガートースト ソフトクリーム 1.71％
１０，雪印 まるでバターのような やわらかソフト（チューブタイプ）140g 1.4％
１１，
ホテルオークラ マーガリン 180g 1.0％
金谷ホテルベーカリー 金谷ホテルマーガリン 1.0％
J-オイルミルズ NEW！ カルピスソフト 1.0％
J-オイルミルズ ラーマ バター好きのためのマーガリン 1.0％
J‐オイルミルズ ラーマ バターの風味 1.0％
J‐オイルミルズ ラーマ 1.0％
J-オイルミルズ ラーマソフト減塩 1.0％
J-オイルミルズ ラーマ プロ・アクティブ 1.0％
参考文献：Business Journal 2015.07.11（文＝佐々木奎一／ジャーナリスト）
イロイロモノコト 各社マーガリンのトランス脂肪酸含有量
学校給食やホテルの朝ごはんで出てくる
小さいポーションに入っているものは総じて高いようです。
少し値段がはっても、健康への害が少ないものを選びたいですね。
５．ノルウェーの製品
- Bremykt med mer rap
60 % バター（クリーム，塩，ビタミンD）
40 % 菜種油
パンに塗って食べるのに向いています。
２、Bremykt Original
70% バター（クリーム，塩，ビタミンD）
30% 菜種油
パンに塗って食べたり、お肉や野菜を焼いたり、
お菓子づくり・パン作りにも使えます。
３，Flytende Bremykt
ワッフルやパンを作ったり、ソテーに向いている
バター入りの液体マーガリンです。
トランス脂肪酸含有率は、２%以下ですので、
日本の大部分のマーガリンよりは害ははるかに少ないでしょう。
１，Melange- klassikeren siden 1919
菜種油 46%
その他（割合不明） ココナッツ硬化油・スキムミルク・塩など
パーム油・トランス脂肪酸フリーで、
肉や魚を焼いたり、お菓子づくりまで万能に使えます。
2，Flytende Melange
菜種油 78%
スキムミルク 5%
その他（割合不明） 水・硬化菜種油・塩など
こちらも、肉や魚を焼いたり、お菓子作りに使えます。
液状です。
３，Flytende Melange med smør-og rapsolje
菜種油 72%
バター 8%
スキムミルク 5%
その他（割合不明） 水、塩など
バター（といっても少量）と菜種油を混合したもので、
焼き物に適しています。
４，Melange uten melk, salt og soya
菜種油 46%
その他（割合不明） 硬化ココナッツ、水、ココナッツオイルなど
乳・大豆アレルギーの方向け。
こちらも肉や魚を焼いたり、お菓子作りに使えます。
1, Soft Flora original
菜種油 57%
その他（割合不明） 水、硬化ココナッツ油、ココナッツ油、スキムミルクなど
パンに塗るのに向いています。
ノルウェーに来て初めて食べたのが、これです。
日本のマーガリンによく似ていると思います。
２，Soft Flora Lett
低脂肪タイプです。
菜種油 33%
その他（割合不明） 水、スキムミルク、硬化ココナッツオイル、ココナッツオイル、塩、安定剤（ペクチン）など
パンに塗るのに向いています。
3, Soft Flora Spesial
菜種油 65%
その他（割合不明） 水、硬化ココナッツ油、硬化菜種油、塩など
乳・大豆アレルギーの方向け。
パンに塗るのに向いています。
４，Soft Flora Steke og Bake
菜種油 50%
水 13%
スキムミルク 5%
その他（割合不明） 硬化ココナッツ油、硬化菜種油、ココナッツ油、塩など
肉や魚を焼いたり、お菓子作りに向いています。
1，TINE Meierismør
クリーム、塩
こちらは完全なるバターです。
日本と同じように何にでも使うことができます。
２，TINE Usaltet Smør
クリームのみ
無塩バターです。日本のものと同じように使えます。
３，Kviteseidsmør
クリーム、塩、着色料（βカロテン）
いわゆる発酵バターです。
パッケージからして美味しそうですね！
６，まとめ
ノルウェーのバター・マーガリンなどに含まれる
トランス脂肪酸の基準値はとっても厳しいです。
日本のものより、安全に使用することができそうですね！
用途に合わせたものを選んで、楽しくお料理したいですね！
